糖尿病でも失明や透析は防げます。 定期検査があなたの未来を守る理由
糖尿病と診断されても、痛みなどの現存症状が少ないため、「まだ大丈夫」とちょっと油断してしまいませんか。
実は、糖尿病網膜症は日本における成人の失明原因の上位を踏まえ、糖尿病腎症は新たに人工透析を開始する原因の第1位となっています。
この記事では、失明や透析といった未来を忘れるために、なぜ定期的な検査が必要なのかを詳しく解説します。 あなたの体を守るための正しい知識を身に着けて、今日からできる対策を始めましょう。
その症状、使わないでください。 糖尿病合併症の初期兆候とは
糖尿病と診断されても、すぐには体に大きな変化を感じないかもしれません。そのため、微治療や生活改善を後回しにしてしまう方も少ないです。
しかし、自覚症状がない水面下で、高血糖は血管や神経を静かに続けます。
「これくらい大丈夫」と思っているその小さなサインが、実は体からのSOSかもしれません。 ここでは糖尿病の三大合併症の初期症状を、専門医の視点から詳しく解説します。 あなたの未来の健康を、一緒に守っていきましょう。

足のしびれや痛みは神経障害(し)の始まりですか?
手足、特に足先に「ジンジン」「ピリピリ」としびれることはありませんか。 あるいは、足の裏に一枚薄い紙が貼ってあるような違和感はありません。 これらは糖尿病性神経障害の典型的な初期症状である可能性があります。
高血糖が続くと、体の隅々まで張り巡らされている神経に栄養があり細い血管が傷つきます。 その、神経細胞特有がダメージを受け、正常に情報を伝えられなくなるのです。
特に心臓から最も遠い足先から症状が現れることが多いため、注意が必要です。
【神経障害のチェックリスト】
- 両足の裏や指先がジンジン、ピリピリとしびれる
- 足が冷たい、または逆にカーッと熱く感じる
- 砂利道やデコボコした地面を歩いているような感覚がある
- 足の感覚が鈍くなり、怪我をしても気づきにくい
症状が進行すると、痛みを感じるため、非常に危険です。 靴擦れや火傷、足に刺した画鋲に慌てず、傷口から細菌が侵し重篤化する「足の病変」の危険性がございます。足の小さな変化をすぐに、気になることがあればすぐに主治医にご相談ください。
目のかすみ・視力低下は網膜症(め)の危険信号
糖尿病網膜症は、成人が失明する原因の上位をかなり深刻な混乱症です。しかし、初期段階ではほとんど症状がなく、静かに進んでいきます。
網膜症は、目の奥にある網膜(カメラのフィルムにあたる部分)の血管が高血糖で傷つくことで慌てます。 最近の研究では、穏やか血管が傷つくだけでなく、体の中で目覚める「ストレス酸化(体がサビつくような状態)」や「炎症」といった、より複雑な問題が病気の進行に深く悩んでいることが聞こえてきました。
高血糖による慢性的な炎症は、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質を余計に許します。このVEGFが、もろくて出血しやすい「新生血管」という異常な血管を多く、網膜症を悪化させる一因となるのです。
【網膜症のチェックリスト】
- 視界が全体的にかすんで見える
- 急激に知能が低下したと感じた
- 視界に黒い点やゴミのようなものが見える(飛蚊症)
- 物が歪んで見える、中心が見えにくい
網膜症は、症状のない初期段階で発見し、治療を始めることが視力を守るための鍵となります。 糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくても年に1回は必ず眼科で精密な眼底検査を受けましょう。
むくみやだるさは腎症(じ)のサインかもしれない
朝起きたときに顔や足がむくむ、以前より疲れやすい体がだるい。 これらの症状は、腎臓の機能が低下している兆候があるかもしれません。 糖尿病性腎症は、現在、日本で新たに人工透析が必要になる最も多い原因疾患です。
腎臓は、血液をろ過して老廃物やややな水分として排出する、高性能な尿フィルターの役割を担っています。しかし、高血糖が続くと、このフィルターの網目が明るくなって機能が低下します。
その結果、本来は体に必要なタンパク質(アルブミン)が尿に漏れたり、老廃物を十分に排出できたり除去します。
【腎症のチェックリスト】
- 手足や顔がむくむ(特にすねを指で前進と跡が残る)
- 体が常にだるく、疲れがとれない
- 尿の泡立ちがなかなか消えない(タンパク質が尿に漏れているサイン)
- 立ちくらみや任意がする(腎性貧血の症状)
- 食欲がわかない
腎症のごく初期の段階は、定期的な尿検査(尿中アルブミン測定)や血液検査で発見できます。
小さな傷が治りにくい…足の壊疽につながる危険性
「靴擦れや切り傷が、いつまでもジクジクして治らない」。 もし、そう感じた経験があれば、それは非常に危険な兆候です。 糖尿病による血流障害と神経障害、さらに免疫力の低下が組み合わさって起こる症状だからです。
高血糖は血管壁を乗り越えて硬く、血を悪化させます(動脈硬化)。 すると、傷を治すために必要な酸素や栄養、白血球などの免疫細胞が傷口に十分に目立たなくなります。
さらに、神経障害によって感覚が鈍くなっていると、最初怪我をしたこと自体に気づきにくくなります。
- 怪我に気づきにくい(神経障害)
- 口傷に栄養が足りず治りにくい(血流障害)
- 細菌への抵抗力が弱まり感染しやすい(免疫力低下)
この状態を放置すると、細菌が繁殖して皮膚組織が死んでしまう「壊疽(えそ)」に至り、最悪の場合は足を切断せざるを得ない状況になります。
なぜ合併症は起こっているのか?「しめじ」で学ぶ体への影響
糖尿病と診断されても、すぐには体に大きな変化を感じないかもしれません。そのため、治療への実感が湧きにくいと感じる方もよろしくお願いします。
しかし、血糖値が高い状態(高血糖)が続くと、知らないうちに全身の血管が少しずつ傷ついていきます。 特に、体の隅々に栄養を届ける細い血管(細小血管)はダメージを受けやすく、さまざまな合併症が起こる可能性があります。
特に代表的な細い血管の合併症は「し・め・じ」という言葉を組み合わせることができます。
- し:神経障害
- め:網膜症(目の合併症)
- じ:腎症
これは神経障害(し)、網膜症(め)、腎症(じ)の頭文字をとったものです。体の中で起こっていることを正しく知ることが、あなたの未来を守るための大切な始まりです。

神経障害(し)で手足の感覚がなくなる研究
神経障害は、糖尿病の合併症の中で比較的早い段階から現れることがあります。 高血糖の状態が続くと、主に2つの理由で全身に張り巡らされた神経がダメージを受けます。
- 神経細胞への直接的なダメージ 中の過剰なブドウ糖が、「ソルビトール」という物質に変化して神経細胞の中にいます。このソルビトールが神経細胞の働きを気づかず、細胞本来を実現してしまうのです。
- 神経への栄養神経不足 には、栄養や酸素を運ぶための非常に細く血管が張り巡らされています。 高血糖は、この細い血管の流れを悪くし、動脈硬化を進めます。 その結果、神経細胞に必要な栄養がなくなり、機能が低下してしまうのです。
これらのメカニズムにより、体のさまざまな場所で以下のような症状が現れます。
【神経障害の主な症状】
- 感覚神経の障害
- 足の指先や足の裏が「ピリピリ」「ジンジン」としびれる
- 砂利の上を歩いているような違和感がある
- 感覚が鈍くなる、怪我ややけどに気づきにくい
- 自律神経の障害
- 立ちくらみ(立ちくらみ)
- 胃の不調(胃もたれ、吐き気)
- 便秘や下痢を感じる
- 排尿の異常(頻尿、残尿感)
特に足の感覚が鈍くなると、靴の擦れや小さな傷に問題はなく、そこから細菌が侵して潰瘍性大腸炎や壊疽(えそ)に進行する危険性が懸念されます。毎日自分の足を観察するフットケアが非常に重要になります。
網膜症(め)が失明に続くまでの5つの進行ステージ
糖尿病網膜症は、目の奥にある光を感じるスクリーン(網膜)の血管が傷つく病気です。成人が明らかになる原因の優先をかなり深刻な合併症ですが、かなり進行するまで症状がほとんどないのが特徴です。
の研究では、網膜症の発症メカニズムがより詳細に考察されてきました。 いわゆる高血糖で血管が傷つくだけでなく、体内で慢性的な炎症や酸化ストレス(体がサビつくような状態)のように、分子レベルの最近の課題が複雑に進んでいます。
特に、高血糖による慢性的な炎症は、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質を余計に許します。このVEGFが、もろくて出血しやすい「新生血管」という異常な血管を正常に、網膜症をかなり悪化させるのです。
網膜症は、病状の進行度によって以下の段階に分けられます。
| 進行ステージ | 状態 | 現症状 |
|---|---|---|
| ステージ1:単純網膜症 | 網膜の細い血管に小さなこぶ(毛細血管腫瘍)や、点状の出血が現れます。 | ほとんどない。 |
| ステージ2:前増殖網膜症 | 血管が止まり始め、網膜の一部が酸欠状態になる。 | かすみ目などを感じることがあるが、無症状の場合も多い。 |
| ステージ3:増殖網膜症 | 酸欠を補うためにもろくて大胆な「新生血管」が生えてきます。 | 飛蚊症(黒い点が飛んで見える)や、急激な体力低下が起こることがある。 |
| ステージ4:増殖膜形成 | 新生血管からの出血が広がり、かさぶたのような膜(増殖膜)ができる。 | 思考力低下。 |
| ステージ5:引き寄せ性網膜剥離 | 増殖膜が網膜を引っ張り、網膜が無くなってしまう。 | 失明に至る危険性が非常に高い。 |
大切なのは、症状のないステージ1や2の段階で発見し、治療を開始することです。 血糖コントロールを順調に進めていくことが中心であることが可能です。 糖尿病と診断されたら、症状がなくても必ず年に1回は眼科で精密な眼底検査を受けましょう。
腎症(じ)で透析が必要になる基準と生活の変化
糖尿病腎症は、血液をろ過して老廃物をフィルターにかける役割を持つ腎臓の機能が、高血糖によって徐々に失われていく病気です。 現在、日本で新たに人工透析を始める原因の第一位がこの糖尿病腎症です。
腎臓の中には「糸球体(しきゅうたい)」という毛細血管の塊が無数にあり、ここで血液をろ過しています。 高血糖が続くと、この糸球体が傷ついて硬くなり、フィルターの目が粗くなったり詰まったりします。
- 初期:フィルターの目が粗くなり、本来は尿が出ないはずの微量のタンパク質(アルブミン)が漏れ出る。この段階では症状は全くない。
- 中期:尿主要タンパク質の量が増え、むくみ(特に足や顔)が現れるようになる。
- 末期:腎機能が著しく低下し、体内の老廃物を排出できなくなる「腎不全」状態に放置されます。
一般的に、腎臓機能が正常の15%以下(eGFR値が15mL/分/1.73㎡未満)になると、自分の腎臓の代わりとなる人工透析の導入が検討されます。透析が始まり、生活が大きく変わります。
- 滞在:週に3回、1回あたり4〜5時間かけて医療機関で血液を浄化する。
- 食事制限:水分、塩分、カリウム、リンなどの厳しい制限が必要になります。
- 自己管理:シャント(透析のための血管)の管理や、透析による血圧変動・倦怠感など、日々の体調管理が欠かせません。
腎症も早期発見、早期治療が鍵を握ります。定期的な尿検査(微量アルブミン尿)と血液検査で腎臓の状態を確認することができ、将来の透析をとりあえずのために準備します。
忘れてはいけない大血管障害。心筋梗塞や脳梗塞のリスク
「しめじ」は細い血管の障害ですが、糖尿病は一時的に血管にも深刻なダメージを与えます、「大血管障害」を警戒します。これは動脈硬化が原因で起こる、命に直結する病気です。
高血球は血管壁を解決し、そこに悪玉(LDL)コレステロールなどが溜まることで血管が硬くて、困ります。
- 心臓:心臓を養う血管(冠動脈)がやがて狭心症、まるづまりと心筋梗塞に。
- 脳:脳の血管が詰まると脳梗塞、大胆になって脳出血に。
- 足:足の血管が詰まると閉塞性動脈硬化症となり、歩行時の痛みや、最悪の場合は足の切断に至ることも。
一般的に糖尿病は肥満と関連が深いと思われがちですが、最近の研究では、痩せている方や標準体重でも糖尿病やその予備群であるケースが少ないことが報告されています。
高血糖に加えて、高血圧、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)、喫煙などが混じると、リスクはさらに懸念されます。
あなたの未来を守るために今日からできること
糖尿病の合併症は、症状がないまま静かに進行するため、不安に感じている方も少なくないでしょう。 しかし、ご自身の体の状態を正しく捉え、正しく対策を続けることで、合併症の発症や進行を防ぐことは十分に可能です。
大切なのは、当面一人で悩まず、私たち医療者と一緒に、あなたの未来を守るための一歩を今日から踏み出すことです。そのための重要な二つのが「定期的な検査」と「正しい血糖コントロール」です。

合併症の進行度がわかる定期検査を受けるタイミング
糖尿病の合併症は、症状が出てきた段階である程度進行していることがほとんどです。
いわば、未来の健康を守るための「定期点検」です。合併症の現状を考えて発見し、深刻化する前に対処する計画を立てるために、以下の検査をしっかりと受け止めることを強くお勧めします。
HbA1cはお母さんを目指す?合併症を防ぐ血糖目標コントロール
血糖コントロールを評価する最も重要な指標が「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」です。これは過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均点を表す、いわば「血糖コントロールの成績表」です。この数値を正しい範囲に置くことが、合併症予防の最大の鍵となります。
日本糖尿病学会では、合併症を予防するための一般的な目標として**「HbA1c 7.0%未満」**を推奨しています。この値を維持することで、網膜症や腎症といった細小血管障害の発症リスクを大きく取り上げていることが、多くの研究で証明されています。
ただし、この目標値はすべての方に一律で適用されるわけではありません。
- 血糖正常化を目指せる場合の目標:6.0%未満
- 重篤な低血糖など治療強化が難しい場合の目標:8.0%未満
目標達成の基本は食事療法と運動療法です。 ただし、ちょっとでは目標達成が難しい場合でも、一時的に諦める必要はありません。
特に、肥満は2型糖尿病を悪化させる大きな問題の一つですが、最近では血糖値を下げるだけでなく、体重減少効果も期待できる新しいタイプの治療薬も登場しています。例えば、「経口GLP-1受容体活性薬」という種類の飲み薬は、食欲を集中させる働きもあり、海外の臨床試験では、この薬が体重やHbA1cの管理に最適化する可能性が報告されています。
治療の選択肢は確実にあります。ご自身の目標値をしっかりと把握し、どのような治療法が最適か、一緒に考えていきましょう。
まとめ
今回は、糖尿病の合併症がなぜ起こるのか、そしてそれを防ぐための定期検査の重要性について解説しました。
合併症は症状がないまま静かに進みますが、一時的に予防できないものではありません。 大切なのは、症状がないうちから定期的に検査を受け、ご自身の体の状態を正確に把握することです。
特に、年に1回の眼科検診や尿検査は、失明や透析といった深刻な状況を気にするための「未来への投資」と言えます。 HbA1c 7.0%未満を目標に、主治医と相談しながらあなたに合った治療を続けることが、10年後、20年後の健康を守るために繋がります。 不安なことは一人で遠慮せず、私専門家と一緒に、明るい未来のための一歩を踏み出しましょう。
参考文献
- Li YY、Yu Y、Jing HB、Gu YH、Zhang HF、Bao WP、Liu C、Cao L、Fan YF。「NAFLDを有する痩せ型または非肥満患者における糖尿病および前糖尿病の世界的疫学:系統的レビューとメタアナリシス」Annals of Medicine 58, no. 1 (2026): 2602995。
- Kollie L、Gaye SL、Chen S、Liang Z、Yu M、Gao F.「RNAシーケンシング技術による糖尿病網膜症に関連する分子メカニズムの解明」糖尿病・代謝異常ジャーナル25巻1号(2026年):10頁。
- Horn DB、Ryan DH、Kis SG、Alves B、Mu Y、Kim SG、Aberle J、Bain SC、Allen S、Sarker E、Wu Q、Stefanski A、Jouravskaya I、ATTAIN-2試験治験責任医師ら。「経口小分子GLP-1受容体作動薬オルフォルグリプロンを用いた2型糖尿病患者の肥満治療(ATTAIN-2):第3相二重盲検ランダム化多施設プラセボ対照試験」Lancet(ロンドン、イギリス)406巻、第10522号(2026年)、2927-2944頁。
