高血糖が脳に与えるダメージと、認知症を防止するための生活習慣を専門医が解説!|調布市の仙川駅で糖尿病治療なら|せたがや仙川クリニック|糖尿病内科・甲状腺内科・内科・アレルギー科

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医療コラム

高血糖が脳に与えるダメージと、認知症を防止するための生活習慣を専門医が解説!|調布市の仙川駅で糖尿病治療なら|せたがや仙川クリニック|糖尿病内科・甲状腺内科・内科・アレルギー科

高血糖が脳に与えるダメージと、認知症を防止するための生活習慣を専門医が解説!

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「最近、人の名前が思い出せない」「探し物が増えた」と感じていませんか?単なる年齢のせいだと見過ごしがちですが、もしあなたが糖尿病なら、それは脳からの危険なSOSサインかもしれません。

実は多くの研究で、糖尿病の方はそうでない方に比べ、認知症を発症するリスクが約2倍も高まることがわかっています。気づかないうちに、高血糖があなたの脳の神経細胞を静かに傷つけている可能性があるのです。

しかし、必要以上に恐れることはありません。この記事では専門医が、高血糖が脳に与えるダメージの仕組みから、今日から実践できる認知症予防の生活習慣までを詳しく解説します。大切な記憶を守るために、正しい知識を身につけましょう。

なぜ糖尿病だと物忘れがひどくなるのか?認知症との危険な関係

「最近、人の名前がすぐに出てこない」「探し物が増えた気がする」
このような物忘れを、単なる年齢のせいだと考えていませんか?

もしあなたが糖尿病をお持ちなら、その物忘れは脳からのSOSサインかもしれません。
実は、糖尿病の方はそうでない方と比べて、認知症を発症するリスクが約2倍も高くなることが多くの研究でわかっています。

しかし、必要以上に怖がることはありません。
なぜ糖尿病が物忘れや認知症と関係するのか、その仕組みを正しく理解することが大切です。
そして、適切な対策を早期から行うことで、認知症のリスクを大きく減らすことが可能です。

この記事では、糖尿病専門医の視点から、あなたの脳を守るための知識を分かりやすく解説します。
大切な記憶やあなたらしい毎日を守るために、一緒に学んでいきましょう。

今日からできる!認知症を遠ざける血糖コントロールと生活習慣 - 画像 1

高血糖が脳神経を傷つける3つのメカニズム

高血糖の状態が続くと、なぜ脳はダメージを受けてしまうのでしょうか。
それは、まるで静かに進む工事のように、脳の中でいくつかの問題が同時に起こるからです。
主に3つのメカニズムが、脳の神経細胞を傷つけてしまいます。

  1. 脳の血管がもろくなる(脳血管障害)
     血糖値が高い状態は、全身の血管にとって大きな負担となります。
     しなやかだった血管が硬く、狭くなる「動脈硬化」を引き起こすのです。
     特に脳の中にある細い血管は影響を受けやすく、動脈硬化が進むと血流が悪化します。
     その結果、脳の神経細胞に酸素や栄養が届きにくくなり、細胞が傷ついたり、機能が低下したりしてしまいます。

  2. 脳のゴミ(アミロイドβ)がたまりやすくなる
     アルツハイマー型認知症の原因物質として、「アミロイドβ」という異常なたんぱく質が知られています。
     これは、脳の中で発生する「ゴミ」のようなものです。
     私たちの体には、このアミロイドβを分解・掃除してくれる酵素が存在します。
     しかし、この酵素は血糖値を下げるインスリンを分解する役割も担っています。
     糖尿病でインスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)になると、体はインスリンを過剰に分泌します。
     すると、この酵素は大量のインスリンを分解することに追われ、アミロイドβの掃除が後回しになってしまうのです。
     その結果、脳にゴミがどんどん蓄積し、神経細胞の働きを邪魔してしまいます。

  3. 神経細胞への直接的なダメージ(酸化ストレスと炎症)
     長期間の高血糖や、食後の血糖値の急激な上昇と下降(血糖値スパイク)は、それ自体が脳の神経細胞にとって大きなストレスとなります。
     このストレスは、細胞をサビつかせる「酸化ストレス」や、小さな火事が続くような「炎症」を引き起こします。
     近年の研究では、アルツハイマー病の原因として、アミロイドβの蓄積だけでなく、タウたんぱくの異常やこうした神経炎症も深く関わっていることが分かってきています。
     高血糖は、これらの要因を悪化させ、直接的に神経細胞の機能を低下させてしまうのです。

糖尿病患者が特に注意すべきアルツハイマー型と脳血管性認知症

認知症にはいくつかの種類がありますが、糖尿病の方が特に気をつけるべきなのは、国内の認知症患者の約8割を占める「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」の2つです。

ある調査では、糖尿病の方はそうでない方と比べて、アルツハイマー型認知症のリスクが約1.5倍、脳血管性認知症のリスクが約2.5倍に高まると報告されています。

認知症の種類 主な特徴 糖尿病との関連
アルツハイマー型認知症 ・新しい出来事を覚えられない
・時間や場所、人の顔がわからなくなる
・ゆっくりと、しかし確実に進行する
高血糖により、原因物質である「アミロイドβ」が脳に蓄積しやすくなることが、発症の一因と考えられています。
脳血管性認知症 ・脳梗塞や脳出血がきっかけで発症
・症状が良い時と悪い時の波がある(まだら認知症)
・感情の起伏が激しくなることがある
高血糖による動脈硬化が、脳梗塞などを引き起こします。脳の血管が詰まったり破れたりすることで、その部分の神経細胞が壊れて発症します。

このように、糖尿病は異なる仕組みで2つの主要な認知症のリスクを高めてしまいます。
だからこそ、日々の血糖コントロールが、将来の脳の健康を守るための重要な鍵となります。

加齢による物忘れと認知症の初期症状を見分けるポイント

物忘れは誰にでも起こる自然な老化現象ですが、認知症の始まりを見逃さないためには、その「質」の違いを知っておくことが非常に重要です。
ご自身や大切なご家族に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。

加齢による物忘れ(良性) 認知症による物忘れ(危険なサイン)
忘れる内容 体験したことの一部分
(例:昨日の夕食のおかずは忘れたが、食事したことは覚えている)
体験したことの全て
(例:夕食を食べたこと自体を忘れてしまう)
思い出す力 「昨日、中華料理を食べたよ」など、ヒントがあれば思い出せる ヒントを与えられても、全く思い出せないことが多い
自覚の有無 「最近、物忘れが多くて困る」という自覚がある 物忘れをしたこと自体に気づかず、自覚がないことが多い
日常生活への影響 ほとんど影響はない 探し物や約束を忘れることが増え、生活に支障が出始める
進行 年齢相応で、あまり進行しない 時間とともに症状が少しずつ悪化していく

特に糖尿病をお持ちの方の場合、記憶力の低下だけでなく、注意力や段取りを組む能力(遂行機能)の低下が初期から見られることがあります。

<糖尿病に関連する認知症の初期サイン>

  • 料理の手順が悪くなり、時間がかかるようになった
  • 複数の家事を同時に進められなくなった
  • 公共料金の支払いや薬の管理を間違えるようになった
  • 会話中に話が飛び、まとまりがなくなった

もし、このような変化に気づいたら、それは脳が助けを求めているサインかもしれません。
一人で抱え込まず、まずはかかりつけの医師にご相談ください。

HbA1cが7.0%を超えると危険?認知症リスクを高める血糖値の目安

糖尿病の治療では、「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」という数値を重視します。
これは、過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均点を表すもので、血糖コントロール状態を示す大切な成績表のようなものです。

複数の信頼できる研究から、HbA1cが7.0%以上の状態が続くと、認知機能が低下するリスクが高まることが指摘されています。
これは、HbA1c 7.0%を超えるような高血糖状態が、これまでお話ししてきた「脳血管のダメージ」や「アミロイドβの蓄積」といった悪い変化を加速させてしまうためです。

ただし、HbA1cが7.0%を超えたからといって、すぐに認知症になるわけではありません。
過度に心配せず、この数値を「生活習慣を見直す良い機会」と前向きに捉えることが大切です。

一方で、注意すべきは高血糖だけではありません。
インスリン注射や一部の飲み薬の影響で血糖値が下がりすぎる「重症低血糖」も、脳に深刻なダメージを与え、認知機能を低下させる危険な状態です。
特に高齢の方は、低血糖によって意識がもうろうとし、転倒や骨折につながるケースも少なくありません。

血糖値は高すぎず、低すぎず、安定した状態を保つことが理想です。
最近では、血糖コントロールをより良くサポートする新しい治療選択肢も増えています。
ご自身の血糖値の状態を正しく把握し、主治医と相談しながら、あなたに合った治療法を見つけていきましょう。

今日からできる!認知症を遠ざける血糖コントロールと生活習慣

「物忘れが増えたのは、もしかして糖尿病のせい?」
そう感じていらっしゃる方も、どうか一人で不安を抱え込まないでください。

確かに糖尿病と認知症には深い関係がありますが、これは変えられない運命ではありません。
日々の生活習慣を少し見直すことで、認知症の発症リスクを下げたり、進行を穏やかにしたりすることは十分に可能です。

大切なのは、血糖値を安定させ、脳にとって健やかな環境を保つことです。
これからご紹介する食事・運動・睡眠の工夫は、いわば「脳を守るための未来への投資」です。
どれも今日から始められることばかりですので、一緒に取り組んでいきましょう。

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血糖値スパイクを防ぐ食事の順番と糖質コントロールのコツ

食事において最も意識したいのは、食後の血糖値がジェットコースターのように急上昇・急降下する「血糖値スパイク」を防ぐことです。
この血糖値の乱高下は、血管の内壁を傷つけ、動脈硬化を進行させる大きな原因となり、脳の健康を静かに脅かします。

これを防ぐための強力な武器が、食べる順番を工夫する**「ベジタブル・ファースト」**です。

【認知症予防のための食事の順番】

  1. はじめに:野菜・きのこ・海藻類
     食物繊維が豊富なこれらの食材を先に食べることで、後から入ってくる糖質の吸収スピードが緩やかになり、血糖値の急上昇を抑えます。
  2. つぎに:肉・魚・大豆製品・卵
     たんぱく質や脂質は、満腹感を持続させる効果があります。これにより、主食である炭水化物の量を自然と減らすことにも繋がります。
  3. さいごに:ごはん・パン・麺類
     血糖値を最も上げやすい炭水化物を最後に食べることで、全体としての血糖値の上昇カーブをなだらかにすることができます。

さらに、近年の研究では、食事が私たちの**腸内環境(腸内細菌叢)**を整え、それが脳の健康にまで影響を及ぼす「腸脳相関」という考え方が注目されています。
特に食物繊維は、腸内にいる善玉菌のエサとなり、短鎖脂肪酸といった有益な物質を生み出します。

この短鎖脂肪酸には、全身の炎症を抑えたり、免疫のバランスを整えたりする働きがあることがわかっています。
脳の神経細胞で起きる微細な炎症も認知症の一因と考えられているため、腸内環境を整えることは、巡り巡って脳を守ることにも繋がるのです。

糖質を完全に断つ必要はありません。
食べる順番を工夫し、白米を玄米に、食パンを全粒粉パンに変えるなど、糖質の「質」にも目を向けることから始めてみましょう。

脳の血流を改善する有酸素運動と無理なく続けるための工夫

適度な運動が体に良いことは広く知られていますが、特に脳の健康を守る上で非常に重要な役割を果たします。
ウォーキングや軽いジョギング、水泳といった有酸素運動は、脳への血流を増やし、神経細胞に新鮮な酸素と栄養をたっぷりと届けてくれます。

【運動が脳にもたらす3つの素晴らしい効果】

  • 血流の改善
     脳の隅々まで張り巡らされた毛細血管の血流を促進し、脳細胞の働きを活発にします。
  • 血糖コントロールの改善
     運動によって筋肉が血液中のブドウ糖をエネルギーとして消費するため、血糖値が下がります。これを続けることで、インスリンが効きやすい体質に改善していきます。
  • 神経細胞の活性化
     運動は、脳の神経細胞同士の結びつき(シナプスの可塑性)を強める働きがあることも示唆されています。これは、新しい情報を記憶したり、物事を学習したりする能力を支える上で欠かせません。

「運動を習慣にするのは難しい」と感じる方もご安心ください。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、無理なく生活に組み込む工夫です。

【無理なく続けるための工夫チェックリスト】

  • ☐ いつもの駅の一つ手前で降りて歩く
  • ☐ エレベーターやエスカレーターを階段に変える
  • ☐ テレビCMの間に足踏みやスクワットをする
  • ☐ 家族や友人を誘って、会話を楽しみながら散歩する
  • ☐ スマートフォンの歩数計アプリで、日々の頑張りを「見える化」する

まずは「今より1日10分多く体を動かす」といった小さな目標からスタートし、できた自分を褒めてあげることが、継続への一番の近道です。

睡眠の質を高めて脳の老廃物を洗い流す生活リズムの整え方

質の高い睡眠は、単なる休息ではありません。
日中の活動で脳に溜まったアミロイドβなどの老廃物を洗い流し、記憶を整理・定着させるための、**「脳のメンテナンス時間」**です。

この脳の洗浄システムを正常に働かせるためには、睡眠の「量」と「質」の両方を確保することが不可欠です。
また、睡眠不足は血糖コントロールにも悪影響を及ぼします。
睡眠が足りないと、食欲を増進させ、血糖値を上げる働きのあるストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌が増えてしまうためです。

【睡眠の質を高めるための生活習慣】

  • 決まった時間に寝て、起きる
     休日も平日と大きくずれないようにすると、体内時計が整い、自然な眠りに入りやすくなります。
  • 朝の光を浴びる
     起床後15分ほど太陽の光を浴びると、眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌が抑制され、体内時計がリセットされます。
  • 就寝1〜2時間前はデジタルデトックス
     スマートフォンやPCの画面が発するブルーライトは、脳を覚醒させ、メラトニンの分泌を妨げます。
  • 日中の適度な運動
     日中に体を動かすことで、心地よい疲労感が得られ、夜の深い眠りに繋がりやすくなります。
  • カフェインやアルコールは控えめに
     特に夕方以降のカフェイン摂取は避けましょう。アルコールは寝つきを良くするように感じますが、眠りを浅くし、睡眠の質を大きく低下させます。

規則正しい生活リズムを心がけることは、良質な睡眠と血糖値の安定、両方にとって良い影響をもたらします。

専門医が推奨する認知症予防に繋がる具体的な目標設定

認知症予防のための生活習慣改善は、短距離走ではなく、長く続けていくマラソンのようなものです。
だからこそ、最初から高すぎる目標を掲げるのではなく、ご自身ができそうなことから**「スモールステップ」**で始めることが成功の鍵となります。

まずは以下の表を参考に、あなただけの目標を立ててみましょう。

分野 すぐにできる小さな目標(第一歩) 慣れてきたら目指す目標(次のステップ)
食事 週に3日、夕食を野菜から食べる 毎食、「ベジタブル・ファースト」を実践する
運動 今より1日1000歩(約10分)多く歩く 毎日合計30分のウォーキングを習慣にする
血糖 週に1回、食後の血糖値を測定してみる HbA1cの目標値を医師と相談し、達成を目指す
睡眠 就寝30分前にはスマートフォンを寝室に持ち込まない 毎日7時間前後の睡眠時間を確保する

最も大切なのは、完璧を目指さないことです。
もし目標を達成できない日があっても、決してご自身を責めないでください。
「今日はできなかったけれど、また明日から頑張ろう」と、前向きに捉えることが継続の秘訣です。

そして、ぜひ私たち専門医を頼ってください。
定期的にクリニックを受診し、HbA1cなどの客観的なデータを見ながら一緒に目標の達成度を確認し、次のステップを考えていくことが、着実に前進する力になります。
私たちはあなたの伴走者として、健康な未来を創るお手伝いをさせていただきます。

専門医に相談するタイミングと治療・サポート体制について

「最近、物忘れが多い気がする…」「もしかして認知症の始まりだろうか?」
糖尿病の治療を続ける中で、このような不安を感じていらっしゃる方も少なくないかもしれません。

しかし、ご安心ください。一人で抱え込む必要はまったくありません。
早い段階で専門医に相談し、適切な治療やサポートを受けることが大切です。
それにより、症状の進行を緩やかにし、あなたらしい生活を長く続けられます。

医療機関だけでなく、お住まいの地域には様々な相談窓口や支援制度があります。
あなたの不安を和らげ、安心して治療を続けられるよう、最適な方法を一緒に見つけていきましょう。

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「物忘れ」を医師にどう伝えるか?具体的な相談の切り出し方

かかりつけの医師に物忘れのことを話すのは、少し勇気がいるかもしれませんね。
しかし、的確な診断と治療への第一歩は、あなたの「気になる」というサインを私たち医師に教えていただくことから始まります。

診察の際に、以下のポイントを参考に、具体的な状況を伝えてみましょう。

1. 事前に「物忘れメモ」を準備する
診察室では緊張してしまい、言いたいことを忘れてしまうこともあります。
「いつから、どんなことが、どのくらいの頻度で起きているか」を記録しておくと、医師に状況が正確に伝わりやすくなります。

【物忘れメモのチェックリスト】

  •  始まった時期:
     「1ヶ月くらい前から」「半年前から徐々に」など
  •  具体的な症状(複数選択可):
    • ☐ 財布や鍵など、物の置き場所を忘れる
    • ☐ 人の名前や言葉がすぐに出てこない
    • ☐ 何をしようとしていたか、目的を忘れる
    • ☐ 料理や買い物の段取りが悪くなった
    • ☐ 約束の日時を間違える、または忘れる
    • ☐ 家族や友人から物忘れを指摘された
  •  頻度:
     「週に2〜3回くらい」「ほぼ毎日」など
  •  日常生活への影響:
     「特に支障はない」「探し物で時間を取られる」など

2. 診察時のスムーズな切り出し方
難しく考える必要はありません。いつもの診察の際に、次のように切り出してみてください。

  • 「先生、最近少し物忘れが気になっていまして…」
  • 「実は家族から、物忘れが増えたと指摘されたのですが…」
  • 「糖尿病と物忘れは関係があると聞いたので、少し心配で…」

このように切り出した上で、準備したメモを見せながら話すのが非常に良い方法です。
あなたの小さな気づきが、脳の健康を守るための最も重要な情報になります。

近年の糖尿病治療薬が認知機能に与える影響と期待

糖尿病治療の目的は、単に血糖値を下げることだけではありません。
合併症を防ぎ、健やかな毎日を送っていただくことが最も重要です。
その中で、近年の研究により、一部の糖尿病治療薬が認知機能にも良い影響を与える可能性が示されています。

例えば、アルツハイマー型認知症の原因の一つと考えられている「アミロイドβ」という脳の老廃物の蓄積を、特定の糖尿病治療薬が抑えるかもしれないという報告があります。
これは、血糖コントロールが、将来の認知症予防に直接つながる可能性を示しています。

私たちの体は、エネルギーを作り出す「代謝」、体を守る「免疫」、情報を伝える「神経」などが、複雑に関わり合って成り立っています。
最近の研究では、「GPR3」という、体の様々な働きを調整する司令塔のような物質が、神経や代謝の働きに深く関わっていることが分かってきました。

このような多角的な研究が進むことで、将来的には糖尿病と認知症の両方にアプローチできる、新しい治療法の開発が期待されます。
また、治療技術は日々進歩しており、薬の効果だけでなく、その「届け方」も進化しています。
例えば眼の病気の治療では、ごく小さな針(マイクロニードル)を使って、必要な場所にだけ効率的に薬を届ける、体に負担の少ない新しい技術も開発されています。

糖尿病治療においても、より効果的で、患者さんの負担を減らす新しい選択肢が今後も増えていくでしょう。
私たちは新しい知見を取り入れ、あなたに合った治療法を提案できるよう努めています。

治療費の負担を軽減する医療保険と公的支援制度の活用法

糖尿病と認知症の治療を続けていくうえで、経済的な負担について心配される方もいらっしゃるでしょう。
しかし、日本には治療費の負担を軽くするための様々な公的制度があります。
上手に活用することで、安心して治療に専念できますので、ぜひ知っておいてください。

1. 医療費の負担を直接軽くする制度

  • 高額療養費制度
     1ヶ月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。所得によって上限額は異なります。
  • 医療費控除
     1年間の医療費の合計が一定額を超えた場合に、確定申告をすることで税金の一部が戻ってくる制度です。

2. 認知症と診断された場合に利用できる支援(介護保険など)
市区町村の窓口で「要介護認定」を受けると、生活を支えるための介護保険サービスを利用できます。

  • 在宅サービス
     デイサービス(通所介護)や訪問介護(ホームヘルプ)、ショートステイ(短期入所)など、自宅での生活を続けるためのサポートです。
  • 生活環境を整える支援
     介護用ベッドなどの福祉用具のレンタルや購入、手すりの設置といった住宅改修費の補助も受けられます。

3. まずは身近な専門家へ!頼れる相談窓口
どの制度が利用できるか分からない、手続きが難しそう、といった場合には、専門の相談窓口を利用しましょう。一人で悩む必要はありません。

相談窓口の名称 こんな時に相談しましょう
病院の医療ソーシャルワーカー 治療費や退院後の生活、利用できる社会保障制度について、まず何から始めればよいか相談できます。
地域包括支援センター 高齢者の介護、福祉、医療に関する地域の総合的な相談窓口です。ご家族の負担についても相談できます。
市区町村の介護保険担当課 要介護認定の申請や、介護保険サービスに関する具体的な手続きについて相談できます。

まずは、私たちかかりつけ医や、病院にいる医療ソーシャルワーカーに「お金のことが少し心配で…」と、お気軽にお声がけください。
利用できる制度や適切な窓口をご案内し、安心して治療を続けられるようサポートします。

まとめ

今回は、高血糖が脳に与えるダメージと、認知症を防ぐための生活習慣についてご紹介しました。
「物忘れ」という言葉に、不安を感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし大切なのは、高血糖と認知症の関係は、決して変えられない運命ではないということです。
日々の血糖コントロールを意識し、食事の順番を工夫したり、今より少し多く歩いたりするだけでも、脳の健康を守る大きな力になります。

完璧を目指す必要はありません。今日からできる小さな一歩を始めてみませんか。
そして、決して一人で悩まず、気になる変化があれば、私たち専門医に気軽にご相談ください。
あなたらしい毎日を長く続けるために、一緒に歩んでいきましょう。

参考文献

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この記事を書いた人

医療法人社団健楓会 統括責任者

小澤 剛史

医療法人社団健楓会 理事長 小澤 剛史
資格
日本糖尿病学会糖尿病内科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医 他
プロフィール
東京医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院糖尿病センターや地域中核病院にて、高度かつ総合的な内科・糖尿病診療の研鑽を積んできた。 現在はせたがや仙川クリニックの統括責任者として、薬物療法だけでなく食事や生活背景まで考慮し、「長く安心して通えるかかりつけ医」として地域医療を支えている。
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