血液中のブドウ糖(血糖)がどれくらいあるのかを調べていきます。食事によって、血糖値は上がったり下がったりするため、食事前の「空腹時血糖値」や一定量のブドウ糖を水にとかしたものを飲み、その後血糖値がどう変化するかを調べる「75g経口ブドウ糖負荷試験」、そして食事の時間を考えないで測定する「随時血糖値」があります。
(2)75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)
現在糖尿病の疑いある方に、強く実施が推奨されています。
具体的には、下記のいずれかに当てはまる方です。
- 空腹時血糖値が110~125mg/dL
- 時間関係なく測定した血糖値が140~199mg/dL
- HbA1cが6.0~6.4%(ただし、口渇、多飲、多尿、体重減少などの糖尿病の症状が存在する場合を除く)
さらに将来的に糖尿病になるリスクが高いと考えられる方でも、実施が推奨されています。具体的には、下記のいずれかに当てはまる方です。
- 空腹時血糖値が100から109mg/dL
- HbA1cが5.6~5.9%
- 濃厚な糖尿病の家族歴や肥満が認められる
妊娠糖尿病
女性特有の糖尿病になります。妊娠中、子宮にある胎盤ではインスリンを壊す酵素が作られたり、インスリンの作用を抑えるホルモンが分泌されたりするため、妊娠をきっかけに現れた糖の代謝異常のことです。妊婦さんのうち7~9%は妊娠糖尿病と診断されます。妊娠糖尿病は、妊娠前から糖尿病にかかっている人は当てはまりませんが、すでに糖代謝異常があるので、妊娠糖尿病と同じように血糖管理が必要です。高血糖状態が続くと、母子の健康に影響を与えてしまいます。
合併症に悩まされることのないような医療を目指して
糖尿病は今や国民病と呼ばれるほどに増え続けており、血糖コントロールが悪い状態が継続することは、神経障害、網膜症、腎症の三大合併症をはじめとした全身の合併症が出現する危険につながります。
しかし、わが国の糖尿病の95%を占める2型糖尿病の実情は、かなり長い年月病状がないため無治療に放置され、そのために合併症に苦しむ方が少なくありません。
当医院では、糖尿病があっても合併症に悩まされることのないような医療を目指して、患者様おひとりおひとりの糖尿病の状態に合わせて治療方針を検討し、患者様ご自身と一緒に考えながら、ライフスタイルに合わせたきめ細かい治療をご提案させていただきます。
院内検査では血糖値、ヘモグロビンA1c(グリコヘモグロビン)測定器を設置しており、当日に検査結果をご説明し、治療方針を決定しています。また、外来でのインスリン導入や血糖自己測定の指導も行います。
食事、運動療法にも力を要れ、管理栄養士による栄養指導も開設しており、充分な時間をかけた教育やセルフケアに関する支援を行っております。